伝統を知る
一閑張とは
About Ikkanbari
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江戸時代初期から
400年続く伝統技法
京都・西陣
伝承されてきた技と、人としてあるべき精神
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泉王子家の
一閑張とはAbout Senoshi
和紙を張り重ねて、柿渋や漆で仕上げた、生活道具です。
丁寧に仕上げた物を、丁寧に使う、そんな豊かな生活を願いながら作っております。
- 一閑張は基本的には「和紙のみ」で作られました。
漆を塗ることで陶器の様に見えますが、実際には紙だけですので、このお椀で25gです(陶器は350g~)。
江戸時代、将軍にお納めしたお茶碗は手元に残存しておりませんが、紙のため保温性が高いと重宝されました。
※場合によっては、骨格に竹や木を使用する場合もあります。
特徴
和紙を張り重ねると、浮くように軽く、強度もあります
「割れない・欠けない」という縁起の良さも、400年愛された理由です
漆で仕上げると、防水性もあり実用的な生活用品も作ることができます
一閑張
三種
和紙製
和紙で形作り、その上から和紙を張り重ねたもの
竹和紙製
竹で骨格を作り、和紙で貼り重ねて完成させるもの
木和紙製
木の原型に、和紙を張り重ねて完成させるもの
※これ以外に、目的や材料に合わせてどんなものでも一閑張で制作できますが、典型的な3種類を上げております。
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泉王子家の
「一閑張」
伝統的技法Traditional Technique
一閑張は、1620年代に中国大陸から渡来した、飛来一閑(ひらいいっかん)が考案しました。中国の漆技術を基礎にして、日本の良質な和紙を原料に編み出した技法です。
典型的な構造としては、和紙を張り重ねて制作し、強度が高く軽いという特徴を持ちます。
また、この一閑が発信した「人としてあるべき精神」、これも技術と共に伝え受け継いでおります。
この精神と技法の両者を合わせて一閑張であると考えております。
徳川幕府
御用達
In The Edo Era
江戸時代には、徳川幕府の生活道具として、お膳やお椀、参勤交代の時の陣笠などを制作しておりました。
徳川吉宗の時代には、天体観測がわが国でも本格化した背景より、金属よりも軽量で、かつ雨風をしのげる、一閑張の望遠鏡(筒の部分のみが和紙、レンズは別)を制作しました。
日本地図を始めて作成した「伊能忠敬」が測量のために使用した望遠鏡も制作しました。
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現代に
おける
一閑張Ikkanbari Today
1972年、田中角栄氏の首相就任の時には、実物大の「虎の置物」を収めております。
現在でも、400年の伝統を守り、京都の工房にて技術を継承しています。
また、「飛来一閑 泉王子家」の精神とものづくりの楽しさをお伝えするため、2004年から一般の方向けに教室もオープンしております。
一閑張の
様々な技法
一閑張の制作プロセス
~ライフスタイルのデザイン、そして文化・精神のデザイン~
BEAUTY OF THE ART
目的により、様々な材料の繊細な声を聴いて、ひとつひとつの工程で、思考を凝らし掛け合わせていく。その掛け合わせは、何百万、いえ何億通りもあり、受け継いできた技法と伝統を掛け算として選び取るで、ひとつの完成品が出来上がります。技術をもって手間をかけていく、美のプロセスと言えます。
そして完成後は、みなさまのお手元で生活道具として、お使いいただく中で何度でも修理し、愛着を持って永く使っていただく。そんな、ものと心を大切にしながら生活していくことこそが、一閑張の精神でもあります。
一閑張の工程
PROCESS
下張り
土台となる木型や竹かごなどに、糊で和紙を張り重ねます。下張りの段階で紙の間に空気が入ったり、歪めて張ってしまうと、後から修正ができないため慎重に張り進めます。
上張り
下張りが乾いたら、仕上げの和紙を張ります。皺が寄らず、継ぎ目が分からないよう、形に合わせて張り重ねます。また、紙の表面に糊が残らないように仕上げます。
塗り
最後に柿渋や漆などで表面を塗装します。柿渋には、防腐・防虫・防水などの効果があり、物をより長持ちさせます。また作品によっては、金箔や銀箔、裂などで柄をつける加工もおこないます。
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伝統工芸 飛来一閑 泉王子家 一閑張 アトリエ夢一人
京都市右京区 詳細
休業日 不定休(営業日につきましては、お問合せください) 14代 尾上瑞宝 TEL 075-203-5012・FAX 075-331-6675